武邑塾2019「GDPR以後の欧州:EU製のインターネットと未来」 第3回 人工知能(AI):63年目の虚構

Description

武邑塾2019
『第3回 人工知能(AI):63年目の虚構』



 1956年、ダートマス会議の議長で認知科学者のジョン・マッカーシーによって、近い将来完成する計算機は「人工知能(AI)」と名付けられました。それから63年……。AIは依然として「虚構」のままです。ヒトの知覚機能(視覚や聴覚、そして言語処理)を模倣し、飛躍的な進化を遂げたディープ・ラーニングが、一般にAIと認識されているものの正体ですが、世界のプラットフォーム経済とデータ経済を束ねる「創造主」のようなAIは、人類が作り出した虚構の外部化と言えるでしょう。最高の機械学習やディープ・ラーニングを手に入れるために、ヒトのデータ獲得競争は加速しており、企業は毎年多くの投資を実行しています。AI構築に必要なのは「人間によるヒトの利用」、つまり「ヒューマン・ハッキング」なのです。そのための投資額は、2021年度に576億ドル(約6兆1,492億円)に達すると予測されています。

 科学は発明や産業を促進するためにフィクションを使用し、他方でフィクションの「誇大宣伝」はディストピアの恐怖を生み出します。そして、科学はAIによる事故や倫理的衝撃を軽減するためにさらなるフィクションを必要としているのです。今、私たちはビジネス・インテリジェンスとデータ駆動型意思決定の聖杯となったAIとどのように向き合うべきなのでしょうか? AIに倫理や道徳を実装できるのでしょうか? あるいは、人間の悪意を完全に排除できるのでしょうか? 今年4月に欧州委員会が提起した「AI倫理規則」と、欧州の次世代インターネットの中心理念である「ヒューマン・インターネット」の観点から、それらの答えを探ることが今回のテーマとなります。

 第一部は武邑光裕塾長による講演「AIとヒューマン・ハッキング:虚構の自己組織化」をお届けします。イスラエルの歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリは、世界的なベストセラー『サピエンス全史』において、ホモ・サピエンスが他の人類種を凌駕できた最大の要因は「虚構(フィクション)の創出」であったと指摘しました。私たちはまさに今、デジタル社会を全質変化させる人工知能(AI)というフィクションに導かれています。その一方で、データ経済がヒトの私的領域に侵入するにつれ、技術が実現する利便性や多幸感と引き換えに、プライバシーは死を向かえるかもしれません。虚構としてのAIは、2045年に到来すると言われるシンギュラリティに備え、人間をハッキングし続けていくでしょう。フィクションとプライバシーとは何か……? それらを欧州の歴史から問い、AIの社会的・経済的原理を再考します。

 第二部は「AIとの共生問題」をテーマに、スプツニ子!氏(アーティスト)、服部 桂氏(ジャーナリスト)、山本龍彦氏(憲法学者・慶應義塾大学大学院法務研究科教授)をゲストにお迎えし、トークセッションを行います。果たして、データ経済の駆動原理となったAIと人間は共生していけるのでしょうか? さらには、ヒトの贅沢な知覚認知作用であるアートは、AIによって代替できるでしょうか? VRや拡張現実世界は人間をどう変容させたのでしょうか? そして、法規制をめぐる最新の動向から見えてくるAIの真の社会的影響力とはどんなものなのでしょうか? そもそも、AIは人間によって操舵可能なのでしょうか? こうした知見を総合することにより、今後のデジタル経済を左右するAI革命を精査します。


◆開催日時: 9月25日(水) 開演18時30分(開場18時00分)
※開演時刻のお間違えのないよう、ご確認のほど宜しくお願いいたします。

◆開催場所:デジタルガレージ(代官山DGビル9階)

◆受講料:10,000円(税込)

◆タイムテーブル
18:30-18:40(10分)
 挨拶および進行
 明神光浩(「武邑塾2019」発起人)

18:40-19:40(60分)
 第一部:講義「AIとヒューマン・ハッキング:虚構の自己組織化」
 武邑光裕(「武邑塾2019」塾長)

19:40-20:00(20分)
 休憩

20:00-21:30(90分)
 第二部:トークセッション「AIとの共生問題を解く」
 武邑光裕(「武邑塾 2019」塾長)
 スプツニ子!(アーティスト)
 服部 桂(ジャーナリスト)
 山本龍彦(憲法学者・慶應義塾大学大学院法務研究科教授)
 モデレーター:高橋幸治(「武邑塾2019」発起人)


◆ご登壇者(敬称略)


●武邑光裕

1954年東京都生まれ/1978年日本大学大学院芸術研究所修了。日本大学芸術学部、京都造形芸術大学、東京大学大学院、札幌市立大学で教授職を歴任。1980年代よりメディア論を講じ、VRからインターネットの黎明期、現代のソーシャルメディアからAIにいたるまで、デジタル社会環境を研究。2013年より武邑塾を主宰。著書『記憶のゆくたて―デジタル・アーカイヴの文化経済』(東京大学出版会)で、第19回電気通信普及財団テレコム社会科学賞を受賞。2017年、Center for the Study of Digital Life(NYC)フェローに就任。現在、ベルリン在住。このほか近著に『さよならインターネット GDPRはネットとデータをどう変えるのか』(ダイヤモンド社)『ベルリン・都市・未来』(太田出版)がある。

●スプツニ子!

1985年生まれ。ロンドン大学インペリアル・カレッジ数学部を卒業後、英国ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(RCA)で修士課程を修了。2013年から4年間、マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボ助教としてデザイン・フィクション研究室を主宰。RCA在学中より、テクノロジーによって変化する社会を考察・議論するデザイン作品を制作。最近の主な展覧会に,2019年「Cooper Hewitt デザイントリエンナーレ」(クーパーヒューイット、アメリカ)、「Broken Nature」(ミラノトリエンナーレ2019、イタリア)など。VOGUE JAPAN ウーマン・オブ・ザ・イヤー2013受賞。2016年 第11回「ロレアル‐ユネスコ女性科学者 日本特別賞」受賞。2017年 世界経済フォーラムの選ぶ若手リーダー代表「ヤング・グローバル・リーダーズ」、2019年TEDフェローに選出。著書に『はみだす力』。共著に『ネットで進化する人類』(伊藤穣一監修)など。

●服部 桂

1951年生まれ。早稲田大学理工学部修士。1978年に朝日新聞入社。1980年代に米通信系ベンチャー企業出向後、MITメディアラボ客員研究員。科学記者、「ASAHIパソコン」副編集長、「DOORS」編集委員、「PASO」編集長などを歴任。1994年に朝日新聞初のインターネット連載。その後、デジタル面、beを担当。2011年からジャーナリスト学校でメディア研究誌「Journalism」を編集。2016年に退職後は関西大学客員教授、早稲田大学、女子美術大学、大阪市立大学で非常勤講師。著書に『人工生命の世界』『マクルーハンはメッセージ』『VR原論』など。訳書に『ハッカーは笑う』『謎のチェス指し人形ターク』『チューリング 情報時代のパイオニア』『〈インターネット〉の次に来るもの』など多数。

●山本龍彦

1976年生まれ/慶應義塾大学法科大学院教授。慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート(KGRI) 副所長。慶應義塾大学法学部法律学科卒業。慶應義塾大学法学研究科博士課程単位取得退学。博士(法学、慶應義塾大学)。専門は憲法学、情報法学。現在、経済産業省=公正取引委員会=総務省「デジタルプラットフォームを巡る取引環境整備に関する検討会」委員、総務省「AIネットワーク社会推進会議(AIガバナンス検討会)」構成員、ピープルアナリティクス&HRテック協会理事、情報法制学会(ALIS)運営委員などを務める。主な著書に、『憲法学のゆくえ』(日本評論社、2016年〔共編著〕)、『おそろしいビッグデータ』(朝日新聞出版社、2017年)、『AIと憲法』(日本経済新聞出版社〔編者〕、2018年)などがある。

モデレーター

●高橋幸治

1968年生まれ。日本大学芸術学部文芸学科卒業後、92年、電通入社。CMプランナー/コピーライターとして活動したのち、95年、アスキー入社。2001年から2007年まで、Macとクリエイティブカルチャーをテーマとした異色のPC誌「MacPower」編集長。2008年、独立。以降、紙媒体だけでに限定されない「編集」をコンセプトに、デジタル/アナログを問わず企業のメディア戦略などを数多く手がける。国際ファッション専門職大学国際ファッション学部教授。日本大学芸術学部文芸学科非常勤講師。著書に『メディア、編集、テクノロジー』(クロスメディア・パブリッシング刊)がある。2019年11月には『Rethink Internet:インターネット再考』(現代図書)を出版予定。


◆注意事項:
1、今回のイベントに関する動画配信、及び講義資料の共有はございませんので、予め
ご了承のほど宜しくお願い致します。
2、キャンセルにつきましては、イベント当日 12:00までにお申し出(メール)があった場合はキャンセル手続きを承ります。それ以降のキャンセルにつきましてはお受け出来かねますので、何卒ご理解いただきますようよろしくお願い申し上げます。
3、領収書の発行につきましては、当日受付にお申し付けください。


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お問い合わせ先
「武邑塾」事務局
info@takemurajuku.com
Wed Sep 25, 2019
6:30 PM - 9:30 PM JST
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Venue
Tickets
第3回武邑塾 受講料 ¥10,000

Combini / ATM payment will be closed at the end of Sep 24, 2019.

Venue Address
渋谷区恵比寿南3丁目5−7 デジタルゲートビル Japan
Organizer
武邑塾2019
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